
平成22年1月25日(月)
(財)性の健康医学財団 を個人的に視察しました
東京湯島にある 性の健康医学財団 にてお話を伺った。
この財団は日本一古い財団、明治38年日本花柳病予防協会として発足。
大正11年の花柳病予防法制定の建議、昭和23年性病予防法制定、平成11年感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の制定、の中でさまざな対応をしながら今日に至っている。性病という言葉は今はないはずであって、その頃は4種類の病気を指した。いまは、性感染症と呼び11種をさす。性感染症は大きく
・細菌性病原体によるもの(梅毒、淋病、クラミジアなど)
・ウィルス性病原体によるもの(HPV、尖圭コンジローマ、ヘルペス、HIV・エイズなど)
・その他の病原体によるもの(トリコモナス、カンジタ、毛じらみなど)に分かれる。
以下、記憶のままに列挙。
・淋病、クラミジアは定点観測によると少し減ってきた。梅毒は微増。
・子宮頸がんの100%がHPV感染によるものだ。HPV感染しても9割は自然消滅するが、1割は子宮頸がんに進む。その間10年。日本の子宮頸がん検診の受診率は2割と少ない。前期がんの段階で切除すれば治る。ワクチンがあって10歳から14歳くらいに処方すると子宮頸がんにならない。3回処方で今は5万円する。日本では万有製薬とブラクススミス社の2社が作っている。22年夏には厚労省の許可が下りそうとのこと。世界では108ヶ国がすでに承認済み。尚、子宮頸がんは近年若年化してきている。
・HPVによる感染は男の場合、尖圭コンジローマといういぼのようなもので現れる。潜伏期間が長く相手を特定しにくく、再発しやすく完治しにくい。
・性器クラミジアは最も多い感染症。20代の女性に多い。次が10代と30代と同じくらい。病原体は細胞の中で増殖し、48時間後には細胞を破り周囲の細胞内に入る。その繰り返し。炎症を起こすなどの自覚症状がなく、長くかかっていると卵管が詰まって不妊症、子宮外妊娠になる。母子感染の場合、結膜炎や肺炎を持って子供が生まれる。現在、妊婦の数%がクラミジア子宮頚管炎にかかっている。妊婦検診でスクリーニングすべきである。クラミジアは抗菌薬の内服で治る。
・オーラルセックスが広まって危険である。たとえばクラミジアも淋菌も口腔にも感染する。生殖器から咽頭、咽頭から生殖器と感染は縦横無尽だ。
・コンドームの使用が減っている。どうもピルの服用が広まってきたからのようだ。避妊と性感染予防は違うのに、と松田先生は嘆かれた。
・性感染症に対する相談は1月と9月が山になる。長期休暇のあとということだ。
・性交経験率は私が教員だった20年前より例えば高3生で男子4/3倍,女子5/2倍に増えている。また、全体に占める割合では女子のほうが1割多く算出される。また、結婚までは性交しないほうがよい、と考える率は99年,05年の調査では高3でみると、男子は肯定者が増える傾向(7.9%→9.9%)だが、女子は減る傾向だ。(11.5%→5%)
・セックスについてはやはり女子がカギだ。動物は皆そうだが、女子への教育こそ風紀を決定すると私は考える。近年の風潮を私は嘆き、松田先生に「江戸時代などは自由だったとの見解もあるが、日本はどうなのか? 公娼で一線を引いていた時代があったが、公娼がなくなった反面、今は普通の女子の観念が崩れみんな乱れているように感じる。先生はどちらの方がベターか」と伺ったが正確な見解は聞かれなかった。松田先生は、「近ごろは草食系男子が確かに増え、そういう相談が女子から結構ある。それより40代の人のほうがいい、という相談まである。」と指摘されていた。逆に女子は肉食である。
・インドなど暑いところの初潮時期は早いらしい。
・女子の性に関する考えがこんなにフリーになってしまってどうにかならないものかと私も考え込んでしまう。小林議員曰く「真面目な女子が一部の超肉食男子に食われないようにするには…。」と表現していたが、娘を持つ親としては、まったくそのとおりである。
・このような現状の中、若いうちから性感染症の現実をきちんと伝えていくべきなのだ、と私も感じた。
・エイズは潜伏10年といわれてきたが、近年は3,4年の人もいる。これは、細胞性免疫(CTL)から逃避ウィルスが広がっていくから。免疫が効かなくなっているのだとか。しかし、薬で治る。だから検査をすすんですべきなのだそうだ。保健所でやっているが県によってやる気に差がありすぎるらしい。保健所の予約は満杯で、実際にエイズが見つかる人の6割強はやはり病院で見つかるそうだ。梅毒などの性感染症の疑いで受診した人に合わせてHIV検査をすべきなで、そうすればもっとHIV感染者は見つかってくるらしい。(そういう病院は3割程度だそうだ。) 実際毎年新たに1500人のHIV感染者が見つかるが、うち1000人以上がそういう病院で見つかっているのだ。
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