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視察報告平成20年6月3日(火)〜5日(木)
県土都市整備委員会

□1.山形県 国道13号 大野目交差点改良手法(於 山形河川国道事務所)
□2.新庄市 下水道汚泥を民間会社による固形燃料化 (於 バイオソリッドエナジー株式会社)
□3.山形、宮城県境 鬼首(おにこうべ)道路 エコロード (於 秋の宮道路管理事務所)
□4.秋田市 中心市街地の活性化の取り組み (仲小路活性化、千秋公園)

1.国道13号 大野目交差点改良手法(於 山形河川国道事務所)

概要;国道13号と天童鮨洗線の交差する大野目交差点は、昭和63年には主要渋滞地点に上げられ平成2年には都市計画決定がされた。平成14年にもアンケート調査をし、渋滞ナンバー1に位置づく。国道13号を1,2kmにわたり立体化して、天童鮨洗線移動させ、立体の下を交差するように計画した。しかし、大規模な計画ゆえ、初めから住民の声をとりこみ(Public Involvement)、基本設計段階、詳細設計作成段階のみならず工事の前にも引き続きP・Iをおおなっている。今年度から工事に入り、5ヵ年で完了する。
総事業費は120億円。(用地買収費含む)
【すごいところ】
学識経験者などによる「大野目交差点改良検討委員会」を設置し、オープンハウスやホームページ、ニュースレター等で一般市民と意見を交換するとともに地権者、借地者、周辺住民による「地域住民懇話会」を設置し、そこで直接対話を図って基本設計に望んだこと。さらに詳細設計作成段階では地域住民、学校関係、沿道関係、警察等で「デザインワークショップ」をもち、橋のデザインの検討(景観P・I)、前段階で要求された地下道、歩道などの使い勝手に対する検討(設計P・I)付近住民を工事前に意見してもらい更なる修正をする取り組み(工事計画P・I)さらに、最初から最後まで広報をし続けていること、であった。
さて、そこで疑問点についてである。
【問い】
こんなに大きな工事で、しかも、立体交差で1,2kmとなれば、住民の意見を聞いたら予算も時間も労力も莫大になってしまい、最後は頓挫ということもありえる。なぜPIの手法を選んだか? それでよかったのか?
【答え】
交差点改良の必要性はみな理解していた。すでに付近の交差点改良で苦労してきた。だから、大野目交差点では、そのようなことのないように、P・Iをとりいれた。予算、時間の面でもよかったと考える。
【メリット】
すでに話し合いをしてきているから用地買収もスムース。気づかぬ多くの意見を取り入れられる。
【デメリット】
デメリットというものでもないが、市民みんなが知りすぎて要望も出すぎる。交差点改良と直接関係ない箇所の要望も(あそこをするならここもやって欲しい的な)でてしまう。

埼玉県の議員たちはそれでも「ほんとうなのか。埼玉だったら反対運動が起きて頓挫間違いなしだよ。」と思っていた。
「市民全体を巻き込んでしまうのは、反対運動を抑える意味も含有されていたのでは?」との質問も出て、私も「ああ、そうかもしれない。」と思った。立体交差で不利益をこうむるのは直近住民だけで、周辺の市民は利益だけだから。だが、その問いにも、そうではない、とのニュアンスの答弁が・・・。われわれは「東北人は穏やかなんだよ。」と思うことで、理解しきろうと努力した。が、現地を見て解決した。現地は道路わきに個人の店や家屋がなく、みな、車ディーラーのような事業所ばかり。立体化されると商売はあがったりだから、補償金を早く手に入れて、より集客力のある場所に引っ越すことを考えたのだろう。個人の家だと「移りたくない」「先祖の土地」という感覚になるが、ここはそうではなかったのだ!
以上P・Iの手法による大規模交差点改良であった。
*なお、埼玉県でも、事故の多い41箇所をピックアップし、ワークショップで市民住民の声を取り入れる「交通安全見えるかプラン」を18年からやっていた。交差点55(GOGO)プラン」や「時間が読める道作り」も推進中。

P・I手法による山形大野目交差点改良をしらべる 挨拶

2.新庄市 下水道汚泥を民間会社による固形燃料化 (於 バイオソリッドエナジー株式会社)

【テーマ】下水道道汚泥を活用するのはどの方法が一番よいか。 その場合、事業として成り立つのか?
【概要】
・下水道から出る汚泥は焼却して埋め立てしたりしている。重油を使うし、埋め立て費用もかさむ。そこで、脱水汚泥を粒状にして固形燃料として活用することにした。合わせて燃料は金山町森林組合の木質チップを利用している。
・30t/日の脱水汚泥を処理し、そこから6,5tの燃料を作る。4000kcal/kgの助燃材として(石炭なら6000kcal)。脱水汚泥1tから290kgの二酸化炭素を排出削減したことになるらしい。
・株式会社バイオソリッドエナジーと新庄市と日本製紙岩沼工場の3者とNEDOとの共同研究事業。総事業費16億2千万円(研究負担金としては7億1千万円、同様の額をNEDOからも補助が出る。総額のうち9億は借り入れで賄った。7億民間銀行、2億県制度融資から)
・脱水汚泥は新庄市浄化センターやもがみクリーンセンターなど、 チップは金山町森林組合他から。
・汚泥を9000t集め、(いま8600t)そこから1800〜2000tの製品を作る目標。
・木質チップの費用、汚泥の運搬費用は製品を製紙会社へ運ぶ費用などトン当たり15000円かかる。年間1万トン処分するので、年1億5千万円かかる。これでトントンとみているが、チップ材、(少し加える)重油の値が上がると厳しい。
・実証実験あつかいなので、今は製品も無償。実験期間終了後は有償で売る。引受先は廃棄物処理施設の許可はいらないだろう。運送費用を減らすには近いところにお得意様を見つけることも必要だろう。本当はもっと汚泥がほしいくらい。山形全体で年間4万t出るが、県主導で集めてくれるとありがたい。
・埼玉県では、今セメント材料(97%)人工軽量骨材(3%)として焼却汚泥を受けてもらっている。売る、ことができればよいのだが…。

バイオソリッドエナジー株式会社にて

3.山形、宮城県境 鬼首(おにこうべ)道路 エコロード (於 秋の宮道路管理事務所)

【テーマ】
道路行政において野生動物との共生をどこまで図るべきか? その場合、予算はどれだけ余計にかかってしまうのか?
【概要】
秋田県本庄市から湯沢市、雄勝町、宮城県鳴子町、そして、石巻市までの国道108号線は東北地方を横に横断する主要道路。そのうち栗駒国定公園のなかの鬼首峠部分は標高差400m以上、幅員6mくらい、長さ17kmで雪が5m以上降るので、11月から6月まで通行止めになる状況。そこでトンネルを多くし標高差を少なくした幅員9,5m、長さ13,7kmの鬼首道路を企画、昭和54年度から国直轄事業で工事開始、平成4年に「鬼首道路エコロード委員会」を設置、様々な対策を企図した。工事は平成8年に完成した。トンネルは7ヶ所、橋状にした部分が17ヶ所、この部分は、野生動物はトンネルの上、橋の下を通る。その他の部分は道路両脇にネットを配置し、動物の侵入を防ぐ。けもの道を事前に調査し、その付近には道路下にけもの専用トンネルを配置、側溝に落ちた小動物が上にはい上がれるように所々側溝から這い上がれるスロープを設けた。また、道路照明ルーバー付き高圧ナトリウム灯を使って虫が寄ってこないようにした。なお、モニタリング調査は平成28年度まで行うつもり。また、トンネルや橋は公募して名前がつけられている。(例 小町見返りの橋、カモシカ橋、オシドリトンネルなど)
・鬼首道路開通で旧道なら夏期1時間27分、冬期旧道閉鎖時期は2時間23分かかっていたのが1時間10分で雄勝町、鳴子町を結べるようになった。鬼首道路開通で交通量はぐっと増え、交通事故はほとんどゼロになり、秋田仙台を結ぶ車両も増えた。雄勝町の発展もめざましく製造品出荷額も増え、金額でも開通年度264億円だったのが379億円に上昇。冬期の観光客も、県外観光客数も2倍になった。鳴子町、鬼首のホテルも客が増え、秋田、宮城県境をまたいだ消防相互応援協定も締結した。もちろん動物の事故(ロードキルと言うんだそうです。)もなくなった。なお、旧道は鳴子町、雄勝町に移管した。山菜採りの人が使うくらい。総事業費約400億円、エコ配慮で事業費がやたら増えた、という認識はない。
【感想】
よくやるもんだなぁ、と思ったが、大まじめに、しかも当時は先駆的にやっていたのだから大したものだと感じた。今は、当時よりエコのためのチェック項目も増え、環境配慮が当然のようになっている。東京狭山線の狭山堀兼の森付近でもけもの道を造る。道の両脇に柵を設け、小動物の進入を阻止する。オオタカが飛び込まないように緑のカーテンを施し、天井部分はこれまた網で覆う。
・おもしろいお話を永田部長から聴いた。秩父の公園内に尾根に沿って管理道路を造った。幅25mの道だった。そこに棲むナナフシが尾根を行き来する習性を持っていたらしく、管理道路上で熱死したという。環境団体の指摘で気づき、アスファルトをやめ、所々砂利にした。それでナナフシは産卵のための移動中でも死ななくてすむようになったという。ナナフシは自分はまだ2回くらいしか見たことがない。今度行ってみたい。

鬼首道路 けもの道 (人間のにおいがつかないように視察)

4.秋田市 中心市街地の活性化の取り組み (仲小路活性化、千秋公園)

【テーマ】
どうやって中心市街地を活性化するか?(どこを見てもあまり特効薬がないようなので・・・)
【概要】
秋田市は人口32万6千人、世帯数13万でほぼ所沢市と同じである。面積は905km2で12倍だけど。秋田駅の千秋公園お堀沿いの中央街区16,8haは(仲小路を真ん中に広小路、、中央通りに挟まれた部分)昔は市庁舎県庁舎のある地域だった。市庁舎、県庁舎が移転し、その後商業施設が張りついた。平成5年に比べ駅前近辺は歩行者平日通行量が1,5倍に増えたが、休日の広小路は1/3に、中央通りは平休日共に1/2に減少してしまっている。郊外にイオン始め大型店舗ができ、平成9年の新幹線開通でビジネスマンが秋田に泊まらず日帰りし、また、企業がオフィスを仙台に移すなど秋田市にとっては厳しい状況が続いてきた。
・中央街区の1/3haは低未利用地で、県有地中心でまだ利用計画の定まらないところもある。県立美術館を持ってきて文化交流と商業の拠点を作るためこの秋再開発準備組合が立ち上がる予定。ヨーカドーや西武を呼んだり、市民市場を建て替えたり、土地区画整理事業で整えたりしてきた。大きな道の真ん中の道、仲小路を東西歩行者軸ととらえ、駅と西の端を歩行者が回遊するようにさせたい。・そんな中19年度『地域資源を活用した「まちの駅」活動化構想』(200万円国費100%)と『団塊パワーの結集による、思い出の久保田城下、再生プロジェクト』(国費100%約5〜600万円)の事業に採択された。前者は仲小路の活性化、後者は千秋公園を行かしたマチの活性化である。前者は中小路振興会、ふれあい通り女性の会が中心になって付近商店会、学校、大学、NPO団体そしてワークショップで関わったアイデアマンたちとでさまざまな企画をしてきた。平成16年からカルチャースクール、各種イベント(カジュアルアーツフェスタ・ハロウィーンパレード・クリスマスフェスタ・JAZZフェスタ・農水高校)フードフェスタ、歩行者天国の実験・街づくり通信(ナッキー通信)の発行、べろタクシーの運行、など取り組みがされている。今後も活動は続けていく。秋田杉の屋台を揃えたいなどアイデアは続く。
後者は千秋公園活性化協議会を作って千秋公園を旅行会社に提案したり、写真展の開催、散策ルート、マップ作り、案内板にQRコードを入れる、メルマガ発行、ホームページ開設などされて、公園に人を、そして市街地に人を呼び戻そうとしている。
【感想】
県土都市整備委員会の視察ゆえハードの街づくり紹介があるかと思ったが、ハード面はまだなかなか進まず、たとえば県有地の活用がこれからというような状況であった。女性の会6人衆の活躍もあり、活動をよくやってらっしゃると感じた。なかなかここまでできないものである。イベントをやりたい!! という人、団体もまだ続くらしい。ただ、どの商店街でもそうなんだけど、イベントを行わないときは人も少ないらしく、これからの課題もあるのだろう。ホームページを眺めていると秋田市は国の事業を使ってよく都市再生に取り組んでいるなぁ、と思った。中心市街地活性化計画も作って国に申請している。ベロタクシーというのもおもしろいと思った。要は輪タクであるが、囲いがついた輪タクである。地球温暖化対策としても地域活性化としてもおもしろい気がした。
・昨晩泊まった横手市も駅前はがらがらになってしまっていた。むしろ大曲駅前のほうが栄えていた。I.Cが近くにできてその近辺に大型店が張り付いて横手駅前は空洞化しているのだそうだ。そういえば所沢のフラワーヒルにある酒屋さんもここで店を閉めると聞いた。教えてくれた人が嘆かれていたが、自分は「そりゃ、住んでる人が買わないからでしょ。」とにべない返事をしてしまった。しまったと思ったが、本当である。昔は隣に西友があったがそれも撤退した。西友さんよ、撤退しないでくれ、とか、マルチョウストアは来てもらえないか、などと自分も打診したことがあった。が、それも、「住民がそこで買わないんだから。」というのが店の方々の退店、出店しない理由だった。付近は住宅街で人は十分住んでいる。でも、そこでお店が成り立たない。よく「商店は努力が足りないんだよ。人を使わなきゃなんとかやれるからねぇ。」という批判を聞くが、住む人々もご都合主義だ。便利なところ、安いところ、華やかなところに吸い寄せられる。なお、日高市選出の小谷野議員が電車の中で言われていたことを思い出した。飯能にやたら繁盛している個人の魚屋さんがある、という。そこは市場と知り合いで、だから安くいいネタを提供しているのと、1人住まい、2人世帯用など量もバラエティーよく揃えているんだとか。がんばっているところはお客も付いてくる、んだそうである。商店街ではなくて個人商店でもそうだとか。昨年度の産業労働委員会のときからずっと市街地活性化を気にしているが、名案はなかなかない。
なお、もうひとつ視察の感想。朝早く起きて横手〜大曲までの電車に乗ってみた。そしたら、中吊り広告に淑徳大学? かなにかの埼玉の大学の学生募集がつるされていた。「おお、埼玉県が先生の卵募集で東北、仙台に出張しているが、大学のほうも東北に伸びてきているんだな。」なんて感じた。そして、その他の中吊りをみてびっくり。なんと電車内に広告がないんである。中吊りはあっても、座席の上の天井の両側に普通広告があるでしょ。それがひとつもないんであります。それほど、やっても無駄なのか、やる元気のある企業がないのか・・・。そこで自分は2月議会の一般質問で「限界自治体、第3セクターを支援せよ」と主張したことを思い出した。その余地が大いにある。支援する代わりに電車の中の宣伝を埼玉の観光、物産の広告で埋め尽くせる、と感じたんであります。実際には、自分が乗ったのは3セクではなくてJRでしたが。

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