
平成20年5月21日(水)〜5月23日(金)
議会運営委員会視察報告
□1.
三重県議会
□2.
岐阜県議会
□3.
愛知県ITS推進協議会
□4.
愛知県議会
*以下は議会運営についてのことなので、なるべく簡単に報告することにします。
1.三重県議会5月21日(水)
・三重県議会の議会改革の歴史は北川知事が県議だったときまでさかのぼる。それほど歴史がある。議員数51名、民主系の新政みえ24名、自民系は3会派に分かれていて19名。
【視察のポイント】
1、会期を今年度から2会期制にする。会期が102日から230日になった。
2.県議会基本条例を制定(h18年12月)し、議会の権能を高める努力をし続けている。
1について…
<利点>
・招集手続きを経ず議長判断で臨機応変に本会議が開ける。
・知事の専決処分がなくなる。請負契約の議案など、すぐ上程、すぐ執行へ。
・日程を長くすることで委員会が随時、しっかり、審議できる。
・参考人制度の活用が容易になる。
・意見書などが時宜を逸しない。
<欠点>
・それだけ本会議、委員会を増やせば経費はかかる。
・執行部が議会にかかりきりになるかもしれない。
・地域での活動に参加しづらくなるかも。
・一時不再議の原則があるので、市民からの請願など似た内容の案件は一回しか審議されない。
・メリハリがなくなるかも。
<その他のポイント>
・一般質問は議案とダブらせないないようにする。
・議案審査は、全体審査、常任委員会付託、委員長報告、採決という流れ。
これは所沢市議会と同じである。
・全体審査は一般、代表質問を行わないものに対し、質疑権を与える。
事前通告制。前回の当初予算に対する質疑では1人15分以内(再質等含め)であった。
なお、上程後に全体説明会を行って、その上での審査である。
・一般質問は一問一答式、分割式、一括式を各自選ぶ。
・議場前方の壁に大型画面があり、レーザーポインタで指し示しながらできる。
・委員会審査は、1部局1日。つまり2部局を担当するなら2日に分けて行う。
実際半日では終わらない。3時くらいまでやっているとか。
・委員会が長いので直接関係する説明職員以外は呼ばない。また、職員を帰した後、議員同士の討議の時間を設けている。
・執行部側は基本的に4定例会時と同じ時期に議案上程をしているようだ。
・費用弁償は実費(旅費)+3000円としteiru.
・随時議案上程されるが、その場合、一日で上程、全体質疑、委員会付託、採決までやってしまう。
2について…
平成7年から始まって18年に条例化にこぎつけた。
内容)
議会は知事と対等で、二元代表制であるという原則を謳い、
議員の仕事(政策立案と執行部の監視機能)を改めて明記し、
議員は県民に対する説明責任と議会改革を不断にすることを明記している。
また、政務調査費の証拠書類の公開にも触れている。
また、県民の議会参画の機会確保についても明記している。
<藤本感想>
基本条例については書かれていることは、みな、当たり前のことである。が、実際には我々みんな、できていないということもわかっている。そんな中、改めて条例で明文化するというのは、相当の覚悟が必要であったろう。また、条例化してしまったらやらざるを得ない。ここにいくまでの議員各位の理想に突き進む意志力と、実施する覚悟にとにかくすごいなあ、といわざるを得ない。県民の代表であるから県民の声を聞き、政策化し、それを説明していくという、県民の存在に視点をきちんと戻した点も評価される。予算決算委員会は全議員で構成し、全体審査の後に、きちんと常任委員会付託しているところも、埼玉もそうあってほしいと感じた。埼玉県は全体審査が無いから、よその委員会の議案の内容についてはわからないまま、議会が終わる。また、予算特別委員会で当初予算を担当しているが、実際には予算について審査するというより一般質問のような内容になっており、予算特別委員会を傍聴しても予算内容はわからない。常任委員会では予算についての審査が行われず、結局、県議会として予算審査を放棄しているような(ちょっと言い方はきついが)状態になっている。私は三重県のように(全体審査、委員会審査)すべきだと思う。それができなくてもせめて常任委員会できちんと予算審査もするようにすべきだと思っている。予算特別委員会の役割は功を奏していないのだ。なお、不断の議会改革も謳っているが、改革し、変えればよいってものでもない。水はよどむと腐るというし、経済は変化し続けないと敗者になるとも言うが、議会制度はそんなことも無かろうと思う。残すものは残し、変えるものは適宜変える勇気を持てばそれでよいと思う。
以上三重県議会視察について報告でした。
2.岐阜県議会5月22日(木)
岐阜県議会の法廷議員定数は61人、それを減数してなんと46人にしている。マイナス24,6%で日本一の削減率であるそうだ。
46人には自民系が32人、公明2人、共産1人、無所属4人、県民クラブは7人だという。これは民主系なのだろうか? 公明、共産の数が少ないのに驚くが、きっと定数削減の結果 1人区の選挙区18選挙区と多いのが原因だろう。複数区は岐阜市が9人区、大垣が4人区、各務ヶ原市が3人区、高山市、多治見市、関市、中津川市、可児市、揖斐郡が2人区である。19年3月に議会活性化の取組みを改選後推進することが提案され、改選後の5月に「岐阜県議会活性化検討委員会」が設置された。
政策立案機能強化関係、議会審議の活性化関係、透明性向上関係の3項目について、それぞれ改革すべき論点が示され、それぞれについて検討中である。
【視察のポイント】
1、政策条例制定に向けて、これをマニュアル化し、きちんと実践しようとしている。「岐阜県食育基本条例」(17,12定例会)「岐阜県食品安全基本条例」(15,12定例会)、「岐阜県行政に係る基本的な計画の議決等に関する条例」(16,12定例会)
2、「岐阜県行政に係る基本的な計画の議決等に関する条例」を制定し、執行部が作ろうとする計画に対し、議会が関与し、議決するまで確実に実行している。
2、について…
条例には「議決すべき基本計画」の内容が例示されているが、その例示の仕方が県政全般についてどの分野であろうとも、という書き方をされている。また、条例には運用基準がついていて、そこに毎年度当初に議会は執行部に、「その年度内に基本計画等の策定をする予定があるかないか」照会し、執行部は答えなければならないと規定し、議会は議決事項とするか否かを決めて、条例に明記すること、としている。また、議決すべき計画であると判断された場合、執行部は計画骨子の段階で議会に説明をし、議会は意見集約して執行部に意見提示するものとしている。
<藤本感想>
基本計画的なものはすべて議決するという意気込みが感じられる。
ただ、計画を策定する段階で議会が口出しするシステムを作りすぎるのも、どんなもんだろうか、と感じた。下手をすれば、議会がすでに認めたんでしょ、と条例が上程されたときになってしまうからである。実際に多くの基本計画を議決事項にしてしまって、修正案を出したことはあるのか、と聞いてみたら、無いとのこと。というのも事前に上程する2定例会前に骨子が提示され、議会はそこで意見を言ってしまうので、さらに協議の場も設けられているので、上程段階ではいうことが無い状態になってしまうのだそうである。議会は二元代表の片翼だから、計画を作るところにも意見反映すべきだ、という理屈もわかるし、うまく運用しないと両刃の剣になる、というのもわかる。埼玉県議会でもこの種の条例は議員提案で作ったが、自分はその運用にまだ気持ちがまとまらない気分である。
なお、その他の収穫として
一般質問は毎定例会やりたい人はやれるもの、としているそうだ。補正予算議会では一般質問に3日間当てているが、20人くらいが手を上げるという。もちろん毎回行う人もいるわけで、1日3人5日間になれてしまった自分には、ちょっと冒険じゃないの、という感じだった。それと海外視察はきちんと位置づけられていて、4年間で100万円まで支給する、ということが内々で決められているそうだ。毎年1/4ずつ予算化されているが、議員の生活は4年周期だからその性格上2,3年目に視察が集中する。1、4年目は執行残がたくさんでる。2,3年目は補正を組んで追加予算を組んで賄う、のだそうだ。海外視察は大きな意味がある、と自分は思っているので、額の多寡は論じられようが、岐阜県の仕組みはよいものだ、と感じた。また、費用弁償は実費+5000円だそうだ。なお、委員会の様子をカメラで執行部に流すシステムも面白かった。執行部職員は自分の関係する委員会の様子を同時に見ながら仕事できるわけで、県民の気持ちも伝わる、というものだ。また、一階フロアには各委員会の様子が放映され、県民は見たい委員会の音声を聞ける、という仕組みも面白かった。美術館で貸してもらえるようなイヤホンのようなものを使うらしい。
3.愛知県ITS推進協議会5月22日(木)
愛知県豊田市のトヨタ会館に伺った。
ここはトヨタのショールームのようなところだ。われわれは、愛知県、国、トヨタなどの民間が一緒に取り組んでいる[ITS(高度道路交通システム)]についてお話を伺った。
・ 愛知県には民間・行政・大学の3者による「愛知県ITS推進協議会」がある。
・・民間の代表であるトヨタのビジョンはZeronizeとMaximize。
Zeronaizeは渋滞、事故、環境負荷をなくすようにすること。Maximizeは車の楽しさを最大化すること。
安全を確保するため、交差点で車や人が来たら、それをあらかじめ知らせるシステムや車間距離を一定に保ちそれを自動制御するシステムも開発されている、という。渋滞が減れば環境負荷も少なくできる。そのためにVICSよりもっと正確に渋滞情報を把握するプローブというシステムもあるという。これは、車に発信機能を搭載し、各車から情報を基地に発信することで、そのときの渋滞状況がより正確にわかるというもの。ETCも渋滞回避の一環だ。また、時差通勤を増やしたり公共交通にシフトさせるTDMという行為も検討中とか。その他水素燃料の自動車開発、軽量化による燃費の効率化、安全性を燃すためのエアバック開発、事故が起きた場合、最小の被害にとどめるためにGOAとよばれ装置。そして、近未来型自動車(一人乗り車椅子のような形で、後ろから接近してくる物体にも対応する)などを見学した。
<藤本感想>
ITの活用によって車の安全はやろうと思えば、最大にできるようである。この道に入ったら一定車間で一定速度でしか運転できないように制御するとか・・・。同僚の荒川議員が「そんならやろうと思えば、事故なんてなくせる様統制もできてしまうってことなんだね」といっていた。また、同じく同僚の中屋敷議員が「車を操る楽しみっていうのは、どうなってしまうんだろうか? 僕は今でも、カーナビに出てくる到着予想時刻に少しでも早く到着して見せることに気持ちを入れてしまったりするほうなんですが。」と言っていた。
トヨタの方も「そうなんです。最後は人間なんですし、また、車を運転する楽しさというものも重要な要素なので、そちらも大事に考えてやっています。」とお答えになっていた。
機械と人間のありかた、を象徴する問答だなあ、と思って私は聞いていた。
4.愛知県議会5月23日(金)
愛知県議会を視察した。一昨日に議長になられた栗田宏議長の出迎えを受けた。栗田さんの弟さんがなんと所沢にお住まいだという。
さて、愛知県議会は歴史ある議会。
県人口も720万人くらいで埼玉より20万人くらい多い。(一般会計予算は2兆2千億円で埼玉より6000億円も多い)
定数は104人で、自民59名、民主38名、公明7名と
まったく政党に分かれている。無所属も共産も社民もいない。
【視察のポイント】
1、政務調査費に関するマニュアルを作ったこと
藤本感想)
議員の手で政務調査費に関するマニュアルを作ったことは、すさまじい努力だったと思う。領収書添付義務は3万円以上から(ただし人件費は除く)。政務調査費に当ててよいものの使い道が細かく規定してあり、それに則って各議員が努めているとか。会議費に関しては飲食を伴うものについて一万円まで、と規定されていることに「われわれが呼ばれる各種団体の会議と懇親会はすべて一体不可分なのが実態であり、確かに懇親会において、要望や意見を聞く機会は多い。しかし、オンブズマンも世間もそれに政務調査費を当てるのを認めようとしないのが実際だ。もしこれを認めてもらえるのならわれわれも助かるのだが、このように規定して、どうか?」と伺うと、「各議員の判断で政務調査費を当てられるか否かは、判断されている。」との答弁であった。事務局長さんなので、それ以上はわからない、のだろう。領収書添付義務が3万円以上で、会議費に当たるか否かの判断は議員個人で、会議費は1万円まで認める、ではマスコミもオンブズマンも、世間もきっと認めないだろう、と私は思った。ただ、このようなことに議員みんなで取り組んで真摯に対応しようとした、その過程を持ったこと自体が貴重なのではないか、と思った。埼玉県は第2弾『議会のあり方検討委員会』を立ち上げたばかりだ。議員の仕事をどう見るか、で評価は変わってしまうだろう。議員の仕事は普段からさまざまな総会やイベントその他に呼ばれ、交際の範囲も広く、それゆえ想像を絶する経費がかかっている。そういう関わりの中で情報を得、気持ちを吐露され、そのために動き、しているのが実態だ。そんな活動してくれなくって結構。総会も懇親会も来なくって結構、というのだったらある意味出費は少なくなるだろう。選挙が近づいたころ、事務所を借りる費用とパンフレットなどでお金がかかる、だけで済むのかもしれない。しかし、実際は、やはり普段の関わりの中でこそ、議員活動は為されているのだ。議員の仕事は個人事業主と同じ、だと私は思うのである。議員は経費を認められるべき、と思うのである。議員とはどういう存在であるべきか、これによって政務調査費の扱いも変わってくるだろう。政務調査費という名前をつけたのはつい10年ほど前だ。が、それ以前支給された経緯を考えると、議員活動費、だったのだろう。名前による意味の収縮現象、だ。議員とはどういう存在であるべきか、議員にはどのくらいの生活をさせるべきか、元は税金なんだから40歳でも50歳でも60歳でも年収300万くらいの日本人の平均年収でいさせるべきなのか、それとも大会社の課長ぐらいの扱いにすべきなのか、
すべては「世間」が決めることである。ただ、議員には権力だけは持たせるべきだと、私は思っている。だって議員は、県民の代わりに行政に物申す武器、なんだから。県民自らが自分の武器を鈍く役立たずにしてしまったら、民主政治は官僚による独占になってしまう。マスコミは議員から権力を奪おう、引きづり下ろそう、としているように見えるが、それに踊らされない視点も必要だと、私は思う。
<その他のこと>
一般質問は一日6〜7人、時間は20分、30分以内。一定例会に2〜3日なので、年間で全員はできないようだ。特別委員会は閉会中のみ行われる。視察も含まれる。
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