平成19年9月11日(火)〜13日(木)
循環社会対策特別委員会として視察
□1.伊方町の風力発電
(風力発電はどうか?)
□2.善通寺方式による市民による環境の取り組み
(誰が主人公であり責任者なのか)
□3.「備前みどりのまほろば協議会」と「備前グリーンエネルギー株式会社」
(市民債の導入とエコのまちづくりを見たい)
□4.バイオマスタウン真庭
(エコのまちづくりを見たい)
1. 伊方町の風力発電 −風力発電はどうか−
愛媛の佐田岬は大分の佐賀関(関アジで有名)に突き刺すように対峙する岬である。そこを伊方町というが、そこの風力発電を視察した。伊方町には原子力発電所があり、そういう意味で庁舎や学校、道路が整っていた。
さて、町では風力発電事業を町の売り(エコ)として進めてきたところ。平成2年に道の駅「瀬戸農業公園」に新農業構造改善事業1.5億円を使って100kwの風車を設置。水耕栽培モデル温室などの動力源の半分を賄わせた。平成15年第3セクターの形で「瀬戸ウィンドファーム事業」を開始、1000kwの風車を11基設置した。その後、同じく第3セクターで三崎ウィンドファーム事業(1000kw×20基)民間(大和ハウス)で佐田岬風力発電事業(1000kw×9基)、そして町営で伊方町風力発電事業1(850kw×2基)が稼動している。今後も第3セクター、民間、町営各事業が控えており、すべて完成すれば60基、年間1億7700万kwh(41800世帯分)を見込んでいる。
さて講義を受けたあと、瀬戸ウィンドヒル発電所を見た。
設備利用率は20%以上で採算を超えるらしいが、ここは平均28.6%と十分である。佐田岬は風力発電に適している(風向きが南北でまとまる、平均風速8.3m、輸送のために道がある、送電線が近くに通っている)が、台風で羽が壊れたり、雷が落ちたり、騒音、低周波で住民から被害の声が上がることがあるという。風車設置にかかわる費用は1基で2億円くらい(設置費、運送費など)。11基なら22億円くらいかかる。採算は取れるのか聞くと、11基で売電が年3億円分。15年契約なので45億円稼ぐ。途中に維持管理費はあまりかからない。(保険で2000万円といわれた。)建設に当たっては国の補助を受けた。電力は直接住民に売ったりしてはいけないので四国電力に売って、それを住民が買う形をとる。RPS法で電力事業者は一定量の電力を新エネルギーによるものでしなければいけなくなっている。四国電力は20%を枠とし、60基69700kwは枠いっぱいである。2000kw以上の風車なら11円20銭で買わねばならないと決まっているが、伊方町のそれは違うので四国電力と相対で決めている。今は9円50銭くらいに買い叩かれているとか。電力会社にたたかれる傾向は全国的。当初は3円くらい/kw儲かる計算だったが・・・。全体60期で初期投資は500億円と見ているらしい。間近で見た風車はバカでかく、鉄柱の高さ50m、羽の長さ29.5m、三枚羽。羽回転の直径61.4mだった。風向きに応じて向きを変え、向きを変えるのも自動で行う。そのときは羽の回転を止める。回転は1分間に19.5回転より回らないように(三菱のは)設計されている。羽根が風を切る音はやはりすごいもので、気になりはじめたらきっと気になってしまうと感じた。

2.善通寺方式による市民による環境の取り組み −誰が主人公であり責任者なのか(感動編)−
憧れの善通寺市を訪れた。そして、あのころを思い出した。
「藤本君は教育ばっかりで・・・」と評されることが増え、そのほかのこともやっているんだし、むしろ目立つことがあるってのはいいことなのになと漠然と思っていたが。自分は市議会議員のとき、「環境の藤本」と呼ばれていたのだった。ダイオキシンかまびすしき時、市議会では保守系議員たちが所沢の環境を守るため、そして、一方では風評被害からも守るために体を張ってがんばっていたのだった。水俣市と同様、過去の負の遺産をばねにして、分別に市民こぞって取り組む「善通寺方式」今は資源ごみ24分別、生ゴミ、可燃ごみ、不燃ごみの合計27分別でがんばっていた。そしてゴミの有料化ももちろん導入されていた。昭和52年、沼津市を視察した市長自ら先頭に立ち、市長も職員も集積所に立って、啓発に取り組み「善通寺方式」リサイクルは開始された。21世紀は生ごみと廃食油のリサイクルに挑戦中。説明をする担当課長の言葉にも力がこもる。ゴミ問題はトップのやる気と、担当のやる気が市(つまり市民)を動かすのだった、そんなことも思い出した。資源ごみの集積所は環境推進会(所沢で言うところの環境推進委員)が担当。しかし、それは自治会とイコールではない。自治会より参加者が多く、全世帯の80%が一世帯一世帯参加している。というのも、推進会は集積所の管理をし、当番の人はきちんと分けて出すよう番をする。会員でなければ使わせない。そして、出した資源は地区(8小学校区ある)ごとに計量、売却したあとは報奨金が100%戻される。175万円〜400万円/年が地区の推進会にはいってくる。
それは10年位前、水俣市を視察したときと同じ仕組み。民の絆が環境を支えていることに、あのころ僕らはどれほど感動したことか。担当の話を聞きながら、僕はノートにこう書き付けていた。「地方自治は民主主義の学校である。」2年半前から取り組み始めた「生ゴミリサイクル」は長井市方式ではない。各家庭で土に返す、方式だ。そのためのコンポストなどに奨励金を市が払う。家庭ごとだけでなく、(お年寄りなどの)グループに対しても出る仕組み。今は全世帯の40%が参加。地区によっては75%の地区もある。週に3回も可燃ごみを収集されちゃあ、生ごみを出さない努力なんてしない。そこで、可燃ごみ収集を週1回に減らして達成に導いた。他の地区では足並みそろわずまだ週3回のところも。税の不公平感を指摘する人もある。市では今後全地区1回収集を目指す。庭がない人は公民館で引き取り、農家などへ。
臭いを消すため「愛媛アイ2」という消臭液(愛媛大学が開発。)をボランティアで作って配布している。その昔、隣の琴平町の焼却施設を21議員クラブのみんなで視察した。あのころはダイオキシンから所沢を救うためにみんな必死だった。環境は市民自らの行動こそが大切だ。それが、人と人の絆を強め、企業の生産行動をも変える力になるのであった。そして、それを動かすのはリーダーの熱と汗と、人々の連帯でしかないのである。
そんなことを改めて確認できた視察だった。
3. 「備前みどりのまほろば協議会」と「備前グリーンエネルギー株式会社」
−市民債の導入とエコのまちづくりを見たい−
平成17年環境省では「環境と経済の好循環のまちモデル事業(平成のまほろば事業)」を募集した。備前市の取り組みはそれに選ばれた。
その昔、ここも産廃処分場建設の問題が起き、それを阻止した経験を持つ。
「備前みどりのまほろば協議会」は環境市民、商工会議所、森林組合、商工会、漁協、など個人、団体からできている。
しかし、それだけでは事業は動かない。
事業化するために株式会社「備前グリーンエネルギー株式会社」を立ち上げ、そこが熱、省エネルギーのために事業を行っていく。会社は市民出資(一口10万円、現在約1億7000万円)でおこし、事業を行うたびに国からの交付金がもらえる仕組み。
事業はペレットストーブ、薪ストーブ、ペレットボイラーの設置とESCO事業と同じ省エネ設備の取り付け。どちらも設備を設置してその使用料を回収することで運営、そして、株主還元する仕組み(年2.1%、10年契約)。維持管理も含んだ契約である。
省エネのほうは公共施設に導入する際、プロポーザル方式で他企業と競争。
国からの交付金がある分、民間に負けていない。メーカーは大型事業でないとまだ採算が合わない。会社は設計者を雇い、企画を出す。市民債の出資者のうち備前市民は1割弱。
ペレットストーブは個人宅に今17台設置した。ストーブはペレットストーブが30万円くらい、薪は100万円か? 燃料のペレットは50円/kgで配達する。真庭市で安く調達できるからでもある。協議会は市民啓発、ソフト事業を担当する。
19年8月、国の方針が変わり太陽光発電にも交付金出るようになる。望むところ。今までやりたくて頓挫していた太陽光発電設置運動に、まほろば協議会は付近2市に語らって共同で取り組む計画を、今、している。
4.バイオマスタウン真庭 −エコのまちづくりを見たい−

いずれ石油は枯渇する。CO2の削減も喫緊の課題である。その解決には町を挙げて取り組まねば成らない。その必要から国はバイオマスタウン構想をぶち上げた。
バイオマスとは生物由来の資源(除く石油)の総体である。木屑、生ごみ、家畜糞尿、下水汚泥などのバイオマスを市民みんなで利活用し、まちづくりを進めていく町をバイオマスタウンと呼び、国は平成22年までに500の市町村がバイオマスタウンになることを目指している。
真庭市は木質バイオ(端材、木屑など)廃棄物系バイオ(家畜糞尿、生ごみなど)や未利用バイオ(稲わら、もみ殻、剪定枝など)を利活用し、地域を上げてCO2削減に取り組む構想を、平成18年に作り、全国35地域のひとつとして選ばれた。
真庭では、さまざまな取り組みのうち、木屑からエタノールを作り、ガソリンに混ぜて利用する事業と木屑を燃やし発電したり、ペレット化して燃料販売、猫砂利用する会社を視察した。
【三井造船真庭バイオエタノール実験プラント】
燃料として国でもガソリンの10%をエタノールに換える方針が出されている。NEDOの事業に採用され、今はこの実証プラントでエタノールを作り、ガソリン97%、エタノール3%のを混ぜて、E10を作り、公用車で実験中。(ブラジルではE25は普通)
具体的にはガソリン3880Lとエタノール120Lから400LのE3を製造。それを年2回作って公用車13台で利用している。
4億円かけて作ったプラントは木屑など2t/日受け入れ20〜25%がエタノールになる。が、80〜100t/日の処理能力がないと商業化は難しいとか。いかに安く原料を調達し、高い割合で生成できるかが鍵でもある。平成21年度までの実験で市、県が協力し取り組んでいる。堺市では建設廃材を原料に実験中とか。
【銘建工業(株)・・・ペレット、猫砂、発電、売電】
銘建工業は集成材を一手に引き受ける会社である。その製造過程で出た木屑、おがくずをボイラーで燃やし、自社利用電気以上を発電している。具体的には1時間当たり20tの水を蒸気に変え、1950kwの発電をし、1200kwを中国電力に売電している。これ以上は買ってくれず、困っている。ボイラー発電に10億円かかったが、毎年3億円分の自己利用、売電ができる。また、ペレットを製造し、ストーブ、ボイラー、そして農業ビニールハウスのボイラーなどのために販売している。また、このペレットは猫の砂としても売れ、今やそちらも頼みになってきた。
さて、この事業は32もの製材所を抱える真庭市で、未来を憂えた若者たちが「21世紀の真庭塾」を開いて検討したところに始まるという。上記製品だけでなく、堆肥、木片コンクリート、木製プラスチック、バイオディーゼルも手がけている。
【バイオマスツアー】
さて、見学者が多くなり、その対応に企業が困って、窓口を一本化したバイオマスツアーが誕生した。市と観光協会の取り組みで、1日コース、一泊コースもある。市内湯原温泉に泊まってもらうことで、町おこしも兼ねる。われわれのバスにもいきいきした美人の女性が乗り込んで、説明をしてくれた。今後2人体制で対応する。若さと一生懸命さが伝わって、それだけでも僕らは得した気分になった。 若さってすばらしい!
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