平成19年9月3日(月)〜5日(水)
産業労働企業常任委員会として視察
□1.北海道旭川市「平和通買物公園」 9月3日
(商店街をいかに活性化するか!)
□2.北海道砂川市「ソメスサドル株式会社」 9月4日
(ものづくり支援と技術継承の秘訣は?)
□3.北海道札幌市「藻岩浄水場の小水力発電事業」 9月4日
(公営企業の環境対策とPFI)
□4.北海道札幌市「北大ビジネス&リサーチパークの取り組み」 9月5日
(産官学連携、起業支援と県の役割)
1. 旭川市「平和通買物公園」 −商店街をいかに活性化するか−

通りと店舗、広場を望む場所で説明を受ける |
この通りは旭川駅前から真っ直ぐ北に伸びる国道。それを日本で初めて歩行者専優先道路にしてしまったもの。[1972年五十嵐市長の功績]その商店街が今がんばっている。
商店街振興組合は6つのデパートと商店からなる。3年前イオンも進出してきて、郊外型大型ショッピングモールに対抗する必要に迫られた。今はデパートと手を組んで郊外型に対抗する。所沢駅近くと同じ構図だ。人を呼ぶにはイベント、しかし、そのとき限りでは効果が少ない。そこで恒常的に魅力を作るため、広場と館を設けた。広場と館はともに空き地、空き店舗を使う。そこで旭川の物産、産業情報PR施設を作って人を呼び込む。18年度は試験的に、19年度は常時開設。19年度TMO支援事業(1255万円)を受ける。
・空き店舗【旭川屋】地場産品紹介、販売コーナー、憩いのスペース、産業情報ギャラリー、カフェ『as』
・空地【イベント広場】様々なイベント(ビアガーデン、朝市、大道芸、オープンカフェ、ダンサーなどのパフォーマンス披露)[視察時は食べ物屋が開いていた]
この運営主体は全てTMO。カフェ『as』は青年部と地元大学生のバイトなどで切り盛り。地場産品の委託販売は手数料5〜10%もらう。イベント広場内には一部チャレンジショップを設ける予定。また、通りの歩行者天国のところどころにオープンカフェがこしらえてあった。これをもっと所沢でも活かしたい。なお、近年、旭山動物園のおかげで旭川に泊まる人々が増えたという。また、この通り(公園)は1km以上駅から北にまっすぐ伸びているが、6条通り以北は人が少なくなる。本当は通りが回遊していれば良いのだが、とのこと。所沢もそうできないものか。
【感想】
頑張っている商店街では必ずぬきんでて頑張るリーダーが存在する。
一般論として、今、商店街が衰退しているのはひとえに郊外型大型商業施設のせいなのだろうか? それだけではないと思う。そもそも昔は商店街は何故にぎわっていたのだろうか? と疑問がわいた。
所沢などは地方の中核都市と違い、客が東京に逃げることが問題。地方都市にはそれは無い。コンパクトシティーではないが、お年寄りには近くの商店の方が良い。しかし、お年寄りはそんなに買わない。あえて商店街を作ってしまうという発想はどうだろうか? ・・・でも、個人商店の品物はスーパーより高くならざるを得ないんだよなあ。それも問題。
昔市場だった小路を統一したコンセプトで飲み屋中心の小路にして頑張っている一角もあった。あえて車が通れない狭さ(路地)を人は好むのだ。ベニスに行った時も思った。なお、飲み屋街のほうは、ブログをご覧下さい。
[ 旭川平和通商店街 ]
2.ソメスサドル株式会社 −ものづくり支援と技術継承の秘訣は?−

平均30歳代の工場にて |
この会社は倒産の危機を乗り越えていまや売り上げを伸ばしている会社。団塊世代代の退職でものづくりの世界では技術の継承が問題になっているが、この会社の技術者の平均年齢は30歳前半。グローバル経済が進む中、日本の製造業、そして中小企業がどう活路を見出していくか、それのヒントがほしくてソメスサドル株式会社を訪れた。
【会社の歴史】
・昭和39年:歌志内に石炭に変わる地場産業をという施策で、第三セクター的に「オリエントレザー株式会社」は誕生した。近代化と機械化の波の中、馬の需要は薄れ馬具職人は余っていた。そんな職人を集めレジャー向け馬具製品を100%海外向けに製作。1ドル360円の中、成長を遂げた。
・昭和50年:オイルショックで事実上の倒産。現染谷社長就任。100人いた職人を20人に減らして再スタート。当時、職人さんはみんな「自分には経営に何の責任もない。職人だから、ただただ職人として今までどおりやるのみ。」という感じだったらしい。しかし、そんな気持ちでは復活できない。そこで「今までを否定することから始めさせていただく。」というような宣言をして再開したという。さて、国内販売に切り替え、馬具だけでなくさまざまなものを手がけた。
・昭和60年:馬具作りの頂点を目指し、「somes saddle(頂点・鞍)」を設立。
現在は年間売り上げ上昇率12%で成長中。毎年若い技術者を採用。馬具作りでは国内唯一の会社に。7対3の割合で今はバッグなどの生産が主になってきた。
[ ソメスサドル株式会社 ]
【感想】
企画、製造、販売までを手がけ、決して卸問屋などを介在させないのは、せっかく作った製品を安くたたかれたりさせないため。革産業の閉鎖性も、会社にとってなめし皮を安く仕入れられないという弱点になっているが、ある意味では功を奏してもいると感じた。多品種少量生産でがんばっているのもすごいし、がんばれるのもすごい。社長のお話を聞いて社長学を習っているような気がした。
曰く「中国に工場と技術を移せば安くもできる。しかし、COACHを見ればわかるように、同じ技術、同じ皮を用いても中国で作るのと日本で作るのとは製品においてまったく違う製品ができてしまうのである。技術の年輪のようなものはあるのだ。だから、それはやらない。アメリカの会社はそれでよしとするが、ヨーロッパの会社はそれはしない。」
「上場するとい手もあるが、それをする必要はないと感じる。」
「職人という呼び方はしていない。職人は技術を見て覚えろ、となる。つまり後輩に教えない、など閉鎖性が目立ってしまうからだ。」
社長さんはその他、革について語ってくださった。
革は戦艦大和の動力ベルトほかさまざまなところで生かされている。その革産業はドイツ、フランス、イタリアなどでは国策のように大事にしている。そして、それぞれそれを扱う集団は歴史を持ち、団結している。なめし集団は何百年の歴史を持ち、結束力を持ち、技術継承をする。アメリカでも然り。それが功を奏したり、そうでない面もある。フランスは原皮を国内で自給できる。今、日本のなめし革の8割は輸入である。2割は食用にする牛の皮。エルメスやグッチも馬具メーカーである。
働く技術者の方々はみな若く、私の質問にも誇りを的確に答えてくれていた。そこに誇りが感じられすがすがしい気持ちに、自分はなった。
3. 藻岩浄水場の小水力発電事業と水道記念館 −公営企業の環境対策とPFI−

藻岩山の上のダムには水が湛えられている。一部は142mの落差を利用し、北海道発電所で発電利用されているが、もう一部は導水トンネルによって藻岩浄水場に引かれ札幌市民の水道水に利用されてきた。
それを発電設備を設置して、浄水場と隣の水道記念館(博物館)の電力に利用するもの。
この9月に開始(昔やっていたが休止中だった)。
発電設備はPFIにより民間(北海道水力発電株式会社)に建設、維持、管理をさせる。北海道水力発電は設備の維持管理をし、札幌市に電気を売る。
札幌市は20年契約で大体毎年均等に、合計約4億5000万円ほど払っていく予定。買った電気が夜などは余るので、そのときは北海道電力に売電する。ただ買うのは10円、売るのは5円くらい。建設費用はNEDOから30%分助成された。そんなわけで、今までに比べこの事業によって年間500万円ほど節約することになる。500万円とは売電分に当たる。
なお、札幌市では山腹にある配水池(14箇所くらいある)でも、その落差を利用して小水力発電を行う予定。そうすれば全浄水事業の3割を自己でまかなえる計算。
【感想】
こういう施策は本当はお金を度外視して環境のことを考えて実施したいところ。だが、そうもいかない。費用対効果で導入の是非が決定される。埼玉県の場合、落差のある水道施設はない。送水にかかる圧力を利用するのは可能なのだろうか? 一方では埼玉県は水力発電事業から撤退する。目的が発電そのものではなく、あくまで何かの事業の付随として、できるところがあれば、と思う。ごみ発電も同じ類か。
なお、札幌市では地震に備え、地下の送水管(27箇所)が地震が来たら弁がしまって貯水槽の代わりをするように、また、配水池(14箇所)でも弁が遮断され水がたまるように工事を行ったとか。環境、省エネ、財政節約、PFI・・・
これからも気にしていくべき視点である。
4.北大リサーチ&ビジネスパーク
ノーステック財団・北大創成科学共同研究機構 −産官学連携、起業支援と県の役割−
経済がグローバル化し、企業淘汰がなされるとおき、日本は何を持って世界に伍していくのか。ものづくりであり、バイオをはじめとした新たな創造分野でいくべきなのだろう。また、地域の中小企業支援、起業を助ける意味でも産学官の連携は必要になっているのだろう。
国が号令を発し?、各地域、各県がそれぞれ産学協同に取り組み始めた。
北海道では、北大リサーチ&ビジネスパーク(R&BP)構想を進めている。北海道大学を中心に研究を進め、企業と研究のお見合いを促進し、地域経済活性化を目指す拠点である。研究開発から事業化までのシステム化、ともいえよう。
当日は、北大R&BP推進協議会事務局のノーステック財団、そして、大学側から北海道大学創成科学共同研究機構を訪問した。

ノーステック財団:
産学官を取りまとめる中心の存在。ノーステック財団は職員58人(うちプロパー23人残りは企業からの出向者が主)公共事業の削減で自前で食べていける分野を探す必要に迫られた。すでに北海道はITと農業、観光立国であった。そこでITとバイオ中心で産学連携を進めてきた。文化面、事務面では小樽商科大の力を借りている。平成19年度で国からの助成(科学技術振興調整費)が一段落する。今後大学の金を投じても重要分野を伸ばしていきたい、とのこと。
そして、実際に共同研究をしている研究室や起業して研究を事業化している会社を見学した。これらは若い研究者、起業を目指す人のお見合い、誘導、場の提供、支援のひとつの形であった。
創成科学共同研究機構:
ここは大学・研究者側の存在。近年の学問と市場の結びつけ傾向にどう感じているのか、質問してみた。「大学は自由な研究をするところ、それがまずある。その上で産業の力や意識が入ることで特許を取るようになり研究の安全性が確保されたり、研究者の意識に新たな風を吹きいれた点でよい」とお答えになられた。また、研究者同士が連携したり異分野の研究者が交流して、研究が進展するよい面も出ているとのこと。企業側にとっても、研究者にとっても、人材交流、窓口の一本化が進み、この構想はありがたい、というようなお答えであった。また、研究機器の共有という面もよかったとのことだった。
【感想】
これら産学官連携と起業支援は環境農林委員会時代もバイオに絞って福岡の取り組みを視察した。
(そのときの様子はこちら↓)
http://www.gutsfujimoto.com/shisatu/180531shisatu.htm
県も競争の時代だ。
なお埼玉県でも産学官の連携は進めている。北与野駅前に産学連携支援センター埼玉をおき、支援に努める一方、
埼玉大、理化学研究所、大正製薬中心にバイオ関係(川口スキップシティ)、
埼玉大、早稲田大学中心に環境関係(本庄リサーチパーク)
埼玉大、理化学研究所、フジノン中心に光学関係(産学連携支援センター)
の3つの拠点重点で産学の連携を進め、ネットワーク化を試みている。
県内の研究者のみならず県外の研究者の紹介にも努め、すでに多くの開発事業化の実績もある。
☆ 産学連携支援センター埼玉
http://www.saitama-j.or.jp/~sangaku/
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