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藤本正人議会報告
埼玉県議会 平成15年9月議会

一般会計の追加について
公務員給与5年連続減(含む教職員)多数決で可決
知事の退職手当と給与とボーナスを20%減らす条例は多数決で継続審査
議員のボーナスを減らす議案、全会一致で可決
資本金1億円を超える法人事業税を外形標準課税にする条例、多数決で可決
その他の議案


 知事が代わったことで今議会のメインテーマは上田知事のマニフェスト検証となりました。しかし、知事選挙で上田知事を応援していたのは地方主権の会のそれも一部議員だけだったので、上田知事体制に対して与党だ野党だという感覚は一変してしまいました。ただ、本来、知事は議員の中から選ばれているわけでないので、議会の会派は与党も野党もないわけです。議会はただただ、議案に対し是々非々《良いものはよい、悪いものは悪い》で行くのが本来の姿。その点で議会がそのようになってきたことは、よいことだと感じています。
 一般質問でも土屋知事時代は一回聞いて再質問はしない、というのが習わしのようになっていましたが、今議会は自民党が3回目も聞く(質問する)という現象が起きました。むしろ、一回で終わらせたのが民主党でした。民主党は坂東真理子さんを応援していたはずですが、いつの間にか与党の気分になってしまったのでしょうか。いずれにしろ、議会としては活性化したことは間違いありません。上田知事の出す議案に対しても「県民にとってよいか悪いか」で私は議論していくつもりです。県民の皆さん、ご指導よろしくお願いいたします。

1.一般会計で79億3541万9000円分追加(計1兆6725億4895万円分の予算決定)
約50億円 選挙にはこんなにお金が・・・だからこそ!!
○衆議院補欠選挙4区(朝霞、志木、和光、新座市)の分・・・・1億7353万円
○参議院補欠選挙(埼玉全県)・・・・・・・・・・・・・・・19億8471万円
○衆議院選挙(4区を除く分)+国民審査経費・・・・・・・・28億3197万円
*これらのお金はほとんどが各市町村でかかる投票、開票事務の人件費として使われます。

○集中豪雨(8/14〜17)で被災した土木施設、農林施設復旧・・・6億2351万円
○台風(9/20〜22)による災害復旧費(秩父市内の道路)・・・・・・9000万円

○SARS対策として・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1912万円
○信号機の新設等(新設道路の信号が主)・・・・・・・・・・・1億6650万円
○暴走族対策の強化(窓ガラスの暗膜の基準厳しくなり、測定装置導入)221万円
○勤労者福祉施設(熊谷福祉センターなど4施設廃止に伴う職員の退職金など)・・・・・・・9721万円
○中小企業雇用創出のための事業・・・・・・・・・・・・・・・5億4000万円
 (県で2億7000万円分使い、 市町村にも2億7000万円交付)
*失業者が臨時採用されやすい仕事を県や市町村が考え、新規採用を条件に企業に委託する。
委託を受ける資格は従業員50人以下で売り上げ等が3年前の2/3以下に急減したところ。
採用は基本的には半年。
なお、この種の臨時雇用創出事業は今までに国から総額174億6000万円来ていて、県は基金を
作り、適宜それを使いながら実施。平成14年度実績では58億2000万円使い、6900人が雇用され
た。平成16年度で終わる事業。
*所沢市の例、平成14年度、所沢市は1億6300万円もらって雇用情報提供事業・埋蔵文化財を
洗う仕事・ホームページ作成の、仕事・図書館のラベル貼り直しや整理・そして学校非常勤教
師を増やす事業を実施し、141人の人を新規雇用させた。最近見かける地域パトロール員も県
によるこの事業を活用したもの。


○電子県庁推進事業・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1000万円
*住民基本台帳ネットワークが整備され、それを使うことを前提とした議案でありましたが、「住基ネットは廃止を含め検討」とマニフェストで宣言した当の知事から議案提出され、これまた疑義、懸念を選挙で表明していた民主党県会議員も賛成してしまいました。マニフェストっていったい何だったのでしょうか?また、知事与党になると民主党県会議員もこうも変身してしまうのでしょうか?

 詳しくは総務委員会の様子へ

○小児救急遠隔医療設備の整備・・・・・・・・・・・・・・・・・・3969万円


2.公務員給与5年連続減(含む教職員)多数決で可決
○民間との差を解消するため給料(1,06%)減
 ・ボーナス減−0.25ヶ月分(4,4ヶ月分になる)、扶養手当−500円(13500円になる)
<議決について>
 賛成89人(自民・公明・地方主権の会・民主・黒田・佐久間・林氏) VS 反対4人(共産党)

反対の理由:共産党(藤本聞き取りによる)
 まず、この議案は不利益不遡及の原則(不利益になることは時期をさかのぼって適応させたりはしないという原則)に逆らうものである。また、県は人事院勧告を尊重する(だから減給議案を出した)といいながら、一方では(人事院勧告にはない)※特例減額を続けている。これは矛盾だ。
 さて、公務員の給与を下げることは、結局は民間給与にも波及して民間の給与減につながってしまうものだ。また、購買力の減少になり、ゆくゆくは経済を縮小させることになる。そして、最後は、税金も減ることにつながっていく。
※特例減額・・・給料月額について、管理職の立場にある職員は平成15年度は2.5%(主幹以下の管理職は1.5%)給料を減額されている。警察や教職員についても同じく適用。また、管理職手当も約3%減額されている。これは埼玉県だけの制度である。

3.知事の退職手当と給与とボーナスを20%減らす条例は多数決で継続審査
<議決について>
継続に賛成75人(自民党・公明党・黒田氏・佐久間氏・林氏) VS 継続に反対17人(民主党・地方主権の会・共産党)

可決できない。継続だという理由:自民党、公明党、ほか
1.給与について
 選挙マニュフェストで上田知事は「20%減にする」と県民に約束した。しかし20%減額は来年3月末まで有効の条例として、既に土屋知事が制定済みであった。県民はきっと土屋知事より20%減らす潔さに期待して上田さんに投票したはずだ。議会答弁で上田知事は「土屋知事がそうしていたことは知らなかった」と答え、また、土屋知事よりさらに20%減額すると副知事給与より低くなってしまうという指摘に対し「副知事より低くなってもよい」とも答えている。なのに、今議会で上田知事の出した条例は「土屋知事の施策のまま期間延長する」というだけのものである。これでは県民を裏切ることにならないか? 当選してから議案を出すまでに考える時間はあったはずだ。土屋知事が定めた有効期限までまだ5ヶ月ある。その間に考えてほしい。

2.退職手当について
可決できない。継続だという理由:自民党、公明党、ほか
 退職手当も20%減という案を出してきたが、そもそも知事の退職手当自体高すぎる。4年務めれば5529万6000円である。これは30数年勤め上げた公務員のそれよりもずっと多い。首相だって541万2000円/4年なのだ。また、議員は退職金などない。額が妥当だろうか? また、知事は次の選挙に受かっても一回ごとに退職金がもらえる。本当の退職の時にもらうべき、という意見もある。知事も一般質問でのやりとりの中で「ご指摘の点も含め、今後、あらゆる角度から広く議論をしていただき検討を進めたい」と答えている。「また、(退職金が高くて)不快感を覚える」とも答弁した。以上のことから、今議会で決めるべきでなく、もっと検討する必要がある。あと3年10ヶ月残されている。その間に知事自身にも根本から再考してもらいたい。その際は、“官から民へ”と知事は訴えたのだから、自身の退職金も“民”の立場に立ち戻って基準を作ってほしい。継続審査(保留)としたい。
継続審査に反対(つまり可決せよ)という理由:地方主権の会・民主党
 選挙戦で提示したマニフェストに知事がどう取り組むのか、そのことこそが今問われている。マニフェストでは数字を明確、具体的に示し、有権者はそれに賛意を示したから上田知事は選ばれたのだ。だから、それをスピードをもって実行することこそが県民の望んでいることだ。この際、議案は通してマニフェストをスムースに実行させよ。なお、(今になって退職金の額の妥当性を指摘しているが)つい先日の土屋知事の退職金に対しては議会は何も言わなかったではないか。このことも含めて、自ら省み、妥当な額をはっきり示し修正案を出すのが議会の使命である。先送りでは県民の理解は得られまい。

4.議員のボーナスを減らす議案、全会一致で可決 (議会側から提出)
 ○議員のボーナスを0.2ヶ月分減らし・・・・3.5ヶ月分→3.3ヶ月分

5.資本金1億円を超える法人事業税を外形標準課税にする条例、多数決で可決

6.その他の議案
○<質問>
 前知事ファミリーの県政私物化の実体解明は?
○<答弁>
 まずは内部調査し、それで明らかにならない場合調査委員会設置もあり得る。

○<質問>
 埼玉県は八ッ場ダム建設に参画するのをやめよ!
○<答弁>
 参画は必要と答えた。理由として県は現在日量220万トンの水利権をもっているが、そのうち100万トンは暫定水利権なので渇水時には制限されてしまい不安定である。

○<質問>
 学校耐震診断、改築について
○<答弁>
 市町村の要請にもとづいて今教育局にいる一級建築士を派遣し、一次審査はできるようにしている。平成17年度内に前項が一次審査は終わるようにする。
 *注:一次審査は柱や骨格の部分などの診断、二次審査は壁やコンクリートに対する診断。現在埼玉県内の学校耐震診断は37.4%(全国平均35%)、耐震化率は40.4%(全国平均46.6%)

○<質問>
 住民基本台帳ネットワークについて、マニフェストでは「廃止も含めて見直していく」とあるが、の質問
○<答弁>
 電子県庁化を実現するのに必要なことであり、しかも現在すでに稼働しているので、そのことを認めた上でセキュリティーに対し慎重の上にも慎重を期す、ということ。不断のチェックをし住民に理解してもらうことが今後の発展の基礎になると思うので、運用面を中心にチェックをしていく。

○<質問>
 住基ネット反対(民主党)
○<答弁>
 住民基本台帳ネットワークについては、さまざまな議論があるが、8月25日に第2次稼働してからも大きな事故もなく定着しつつある。また、これは電子県庁を作るのに必要なものである。今後は制度やシステム運用に対し慎重の上にも慎重にやっていく。チェックにチェックを重ねシステムの運用面についてセキュリティーレベルの向上に努める。

○<質問>
 西所沢の踏切について。調査によると1日に260回締まり、1日に7.3時間はしまっている状態だとのこと。本当は地下に道路を通したいがそれも難しいので代わりに所沢村山線をアンダーパスにしてそちらを早く進めたいとの質問
○<答弁>
 国道463号線バイパスと交差するところから用地買収を進めたい。また、463バイパスについては現在工事中であるが平成16年5月末には開通させたい。なお、立体交差の部分は4車線であるが、暫定2車線で開通させる。また、4車線になるのにあわせ防音壁も完成させたい。

○<質問>
 市町村との関係について
○<答弁>
 市町村との人事交流を進めていき現場を知った職員育成に取り組みたい。また、知事はこれからの地方自治体のあるべき姿に対する答えの中で市町村の視点にたっての改革が必要。(また、別の議員に対する答えの中で)市町村の求めがあれば必要な事業に補助を出していき市町村を力づけたい。
藤本注:知事はまず市民、県民に身近な市町村こそが起点であるという認識を示された。このことは私も市議会議員時代つくづく感じてきたことである。それを県知事が言明してくれたことは非常にうれしい。常にその視点でがんばっていただきたいし、応援もしていきたいと感じた。

○<質問>
 知事給与2割カットしますのマニュフェストについて。今、有効になっている条例をただ3年間延長するだけの議案を今議会に出してきている、というのも土屋知事がもうすでに2割カットの条例を作って時限立法で今も有効だからだ。では、なぜ土屋知事の2割にさらに2割カットする議案にしなかったのか。それの方が県民は納得するのではないか。それとも副知事より給与が下になってしまうからやめたのか? の質問
○<答弁>
 土屋知事が2割カットしていたとは知らなかった。

○<質問>
 知事公館には泊まらず自宅から通いますといっていたのに知事公館で生活することになったがこれも嘘ではないか、の質問
○<答弁>
 自分は家族と住むのがいいので(公館は1人しか住めそうもないと想像していたので)家から通うといった。が、防災関係職員の幹部3人が単身赴任で県庁近くに住んでいることを聞き、自分も責任ある立場だから公館住むべきだと思い直した。

○<質問>
 政治献金について、上田知事は企業から献金はもらわない、とマニュフェストに書いた。しかし、企業からの献金は法律で既に禁止されている。何も知らない県民はいかにも上田知事が新規に打ち出したように受け取っただろう。また、そういうクリーンなイメージを県民に抱かせておいて、企業の個人、たとえば企業から3人まで10万円までなら構わないと知事本人から宣言するのはいかがなものか。社長と会長と専務から10万円ずつもらえるし、それが県内各企業から来たら相当の額になるのだから。また、知事は秘書も持ち、家も貸してもらえ、活動すべてに金がかからない。知事はその存在自体権力者であり、一国会議員とは違う。なぜ献金はいらないといわないのか。
○<答弁>
 自分の後援会に郵送したり人件費を払ったりにお金は使う。政治が(利権でない)人々に支えられて存在する、というのはあるべき姿だと思っている。利権に絡んだり見も知らぬ人からの献金は断るつもりだ。

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