[ホームに戻る] [教育関連メニュー]

教育情報記事
教育委員会傍聴記 平成18年4月13日 平成21年7月9日


【今回のテーマ】
*議事(意志決定するもの)  今回は全て非公開
1  地方産業教育審議会委員の任免について
2  社会教育委員の委嘱と任命について
3 教職員の人事について
【報告事項】
1 「教育に関する3つの達成目標」の取り組みに関する効果の検証結果について
 「教育に関する3つの達成目標」の取り組みに関する効果の検証結果
○今回の検証結果は各項目の達成度を数値で表すのに加え、その結果を活用できるようにワークシートをつけて、できない場合はこうやったら、みたいな冊子にしてある。また、モデル事例をつけて展開できるようにもしてある。
○県としては自分の学校と県平均を比較して、学力向上等に努力してもらいたいと思っている。今年度、市町村教委、県の各教育事務所にも学力向上推進担当を置いている。その人々にも県と市町村の連携して力を発揮してもらいたいと期待している。
【「教育に関する3つの達成目標」について調査の概要について】
<やり方>
・「知・徳」については21年1月19日〜2月6日までの間で行った。「体」については体力テストなので20年5月〜6月実施。
「知」についてはペーパーテストと質問紙調査を行った。「徳」については「規律ある態度」の達成率は「よくできる」「だいたいできる」と答えた子どもの割合を出している。
また、質問は子ども、保護者、担任に行っている。「よくできる」「だいたいできる」「あまりできない」「できない」で回答させた。
「体」については体力テストと質問紙調査。
・対象は小1〜中3までの全員。小学校718校、中学校368校。

<内容分析>
★20年度の「知」に対する達成率(正答率) 
・小学校の達成率
区分
小1
小2
小3
小4
小5
小6
小学校合計
学年別平均
94.6
(94.2)
92.6
(90.2)
91.2
(85.8)
90.1
(88.4)
90.8
(88.5)
91.7
(89.7)
91.8
(89.5)

*カッコ内は19年度の達成率
*ここでの達成率とは国語(読む、書く、辞書の引き方、漢字)と算数・数学《計算(数の計算、日常生活等の内容)》の平均点のことである。
・中学校の達成率
区分
中1
中2
中3
中学校合計
学年別平均
87.2
(83.9)
86.1
(76.5)
86.9
(82.5)
86.7
(81.0)

*平成23年度にはこの達成率を95%にするのが県目標。

○もう少し詳しく
「読む」「書く」「辞典の活用(小学校)」「漢字」・「計算(数の計算)(日常生活等の内容)」に対し、小学校、中学校の学年ごとに達成率が出ている。達成度は平成19年度に比べ20年度のほうが、小学校の「辞典の活用」「漢字」を除いて全て上昇していた。
cf.小学校では「読む・書く」の全平均で88,4%→91,1%に。「計算」で90,6%→92,5%に。中学校では「読む・書く」が82,8%→90,0%に。「計算」で79,1%→83,5%に。

★規律ある態度について
・小中学校108項目中91項目について19年度より高い達成率だった。
・達成率を学年別で見ると達成率が80%以上の項目が11項目あるのは小3,小4,中3。逆に小6では6項目、中1,中2では7項目にとどまった。
○規律ある態度のチェック項目
[例]登下校時刻を守ることができるか?授業の開始を守ることができるか?靴をそろえているか?机やロッカーの整理整頓は?時と場に応じた挨拶ができるか?相手の気持ちやその場の状況を考え優しい言葉遣いができるか?学習の準備を整え、授業に臨んでいるか?先生や友達の話をしっかり聞き、発表できるか?人の集まる場では静かに、ふさわしい態度をとれるか?進んで掃除や美化活動をしたか?など。

★「体」について
新体力テストを文科省が示す基準に則って年齢及び種目別の記録に応じて点数化し、8種目の合計によりA〜Eの5段階に選別した。
・種目とは握力、上体起こし、長座体前屈、反復横跳び、持久走、20mシャトルラン、50m走、立ち幅跳び、ボール投げである。
・総合評価がA,B,Cの者の人数は、小学校75,3%→76,7%、中学校81,9%→82,3%でともに上達した。
・種目別で考えると小、中とも「上体起こし」が好成績。また、「ボール投げ」が小学校で、「握力」と「ボール投げ」が中学校で5点未満で課題である。
・子どもに対してはその年の結果から翌年の目標が3段階で設定される。ホップ、ステップ、ジャンプの3段階だが、少しでも上達したホップ(第1目標)を何種目で達成できたかも集計されている。4種目以上上達は小学校で72,8%→75,9%。中学校では71,2%→71,6%だった。

*ちなみに体力テストの点数はこのようにして出す。
[小学校女子の場合]
10点
ソフトボール投げ
25m以上
21〜24m
17〜20m
14〜16m
11〜13m
8〜10m
6〜7m
5m
4m
3m以下

このような点数換算表が握力、50m走・・・・と各種目ごとにできている。
それらの点数を全て足すことで、総合評価としての総合点数が出る。それを今度は下記にある年齢別に設定した評価表に照らし合わせて、A〜Eまでの評価を出す方式だ。
総合評価
段階
6歳
7歳
8歳
9歳
10歳
11歳
39以上47以上53以上59以上65以上71以上
33-3841-4646-5252-5858-6463-70
27-3234-4039-4545-5150-5755-62
22-2627-3332-3838-4442-4946-54
21以下26以下 31以下37以下41以下45以下

  ということで平成21年度の県の重点課題は「ボール投げ」にするらしい。

★生活に関する調査は次のような質問を全子どもに行った。
例えば、「朝食は食べますか?」「毎日何時くらいに寝ますか?」「1日の睡眠時間はどれくらいですか?」「外遊びやスポーツを1時間以上する日はどのくらいですか?」などの質問であった。

委員の話し合いの様子
開始後30分しての傍聴でしたので、記録は全てではありません。
<樋爪委員>
丁寧な言葉を使えるか聞いているが、親しみを考えた場合、丁寧でない方がよい場合もある。よい子でいて欲しいという趣旨の設問だが、最低限でこれは守らねばならない的な設問設定の方がよいのではないか?
<課長>
小学生では丁寧な言葉を身につけてもらい、中学生になったら場に応じた言葉遣いを使えるような質問になっています。
<斉之平委員>
製造業でも整理整頓は大切だ。だからそういうことを身につけて欲しいが、小学校3年で山が来て、中1になるとできなくなっている。なんとかできないものか。
<課長>
美化コンクールなどで、よくできる子どもを表彰するなどの例があるので、そういう実践例を示していきたい。
<石川委員長>
でも、どんな場面でも整頓すればよいってもんでもないんだよ。居酒屋で靴をそろえたら「混乱している方が店としてはよいんだ」って言われたこともある。
(笑)まあ、子どもの発達段階もあるしね。
<松居委員>
ほかの項目も同じ傾向を示しています。で、その裏に何があるのか!? ってことで自分はそれについて言いたいことがあるんです。それは次回申し上げます。
<石川委員長>
辞書を使えるかの質問だが、辞書を使いこなせるというのはとても大切だ。これは個人持ちなんだろうか? 辞書をクラスに用意するくらいの金はあるよね。線を引いたりして汚くして使いこなせなくちゃいけないので。
<課長>
ケースバイケースだと思います。
<石川委員長>
近くに辞書がある状況が大切だ。条件整備をすることが大切だと思う。
<平井委員>
1人1人の個人レベルでの比較資料しかない、というが、取り組みは学校ごととか地域ごとで行う場合が多い。公表するかは別としてそういう比較ができるようにするのは励みとしてもよいと思うがどうか。
<石川委員長>
地域差は歴然としてあるものだ。だから、そういうことがわかるとどう手を打ってよいかもわかってくると思うよ。

*その他私が来る前に、体力向上についても幼小連携の大切さを主張される意見が松居委員から出されたとのことでした。委員によると3,4歳児に鍵があるとのこと。答弁としては、親に負うところが大きいが、就学前健診などで食育に関するリフレットを配るなどしてアプローチしている、との答弁があったそうだ。また、県としては、@教育に関する3つの達成目標、A国の学力テスト(9月前に結果出る)、B県の学力診断(小5,中2のテストで8月前に結果出る)の3つを分析して、学校に役立てて欲しいと思っているらしい。

【藤本感想】
生活調査でどのくらいスポーツや外遊びをしていますか【部活、土日含む】について、回答項目が1,ほとんど毎日(週3日以上)2,ときどき(週1〜2日)3,ときたま(月1〜3日)4,しない、に設定されていたのはいかがなものか?子どもの生活としては1,ほとんど毎日(週5日以上)くらいにしないといけないのではないか、と思った。聞くと、体力をつける、という意味からは週3日体育の授業もあるし、それを加味するとそのくらいの設定で大丈夫、とのことだった。自分としては土日は除いて質問したらなぁ、と思った。そして一緒に習い事の調査や、友達と家に帰ってから遊んでいますか、という質問もしたらなぁ、と思っている。
体力の項目で4種目以上上達云々という評価は個人としては意味があるが、全員まとめてとなると意味が薄くなるということを思ったが、担当課の方でもそれを認識し、徐々に文科省の絶対評価で評価する方向性にする、との答弁があった。そりゃそうである。通知表でオール5の子どもが4科目以上上達といってももう上達のしようがないのと同じである。
「知」についてはそれほど上達したなら、全国テストでも高校入試の検査でも平均点が上がっていてよいはずである。そうでないのなら、そのための準備をすればそういうパターンのテストはできるようになる、というのを証明したに過ぎなくなる。95点以上を5カ年計画の目標に掲げたが、障害を持つ子もクラスにいる中、それは無理だと初めから指摘してきた。だから点数をそれほど気にしない方がよいと考える。
また、そもそも出てきた数値にそれほどの有意性があるのだろうか? 数値の変化に意味はないのかも知れないぞ、と思う。そして、そのためにこうしたらよい、という対策も追求されているが、先ほど述べたようにそのための準備をすれば点数は上がるのだ、が、それはそれだけのための数値だとしたら意味は薄いことになる。対策をとろうと苦心するのも徒労に近いのではないか。そういう作業に費やすより、そういう事務作業に身をやつすより、全てをチャラにして「自由に、のびのび、でも一所懸命教えてください」くらいにした方がおもしろい学校になるのではないか、と感じている。もしやるなら、「徳」すなわち規律にだけ集中したらよいのに、と思うのであった。
なお、今日で石川委員長も教育委員さんをおやめになる。教育の実際をよく知った方がいなくなることで、今後の教育委員会の方向が机上の論議に偏らないか心配したい。
義務教育と高校教育は同じテーブルで語れない部分が多い。義務教育の実際をよく知った石川委員長が辞められることで、小中学校の教育に対しての造詣を持った人がいなくなることを自分は惜しみ、その方面の充実が薄くなるのではないか心配する者である。また、石川委員長は執行部が本音では言えない答弁などもフォローをして委員会の話し合いをうまく進行させてもいらした。そういう役目をしてくれる人はもういないのだから、執行部は委員の質問に対して率直に答弁するように今後気をつけて欲しい。いつでもハイ、ハイと答弁し、委員の意に沿うように話を進めがちだが、今後はお言葉ですが実際は・・・としなければならない。実態を知らない委員さんの質問に追従して、あらぬ方向に教育委員会の方針が進んでしまうことは公務員の責任として避けねばならない、と思う。
石川委員長さん、埼玉の教育振興のためにご尽力ありがとうございました。今後も後進の指導ほかによろしくお願いいたします。 お元気で!!

 これまでの傍聴記 [18/04/13] [18/04/27] [18/07/13] [18/07/27] [18/09/21] [18/10/26] [18/12/06]
[19/12/05] [19/12/20] [19/12/21] [20/01/10] [20/01/24] [20/02/06] [20/03/10]
[20/03/19] [20/03/26] [20/04/24] [20/05/08] [21/01/22] [21/05/21] [21/06/08]

[文頭に戻る]