本日ここに、めでたく「成人の日」を迎えられた皆様に、所沢市を代表して心からお祝い申し上げます。また、この「成人のつどい」を開催するに当たり、ご尽力いただきました実行委員会の皆様方に厚く感謝申し上げます。
さて、新成人の皆さん、私は、まず、みなさんに伺ってみたい。昨年、東日本大震災がありました。みなさんの中にも親戚の方が、また、友人が、知人が震災に遭われた、または、命を落とされてしまったという方もおられるのかもしれませんが、そういう方に誠に申し訳ないのですが、伺いたいのです。皆さんの中に被災地へ赴いてその現場を見たとか、ボランティアに行って活動してきた、という方はどれくらいおられるでしょうか? 私も4月17日に、そして、5月22日に、それぞれ3日間くらい宮城県石巻市で活動をして参りましたが、大げさでなく「人間の幸せとは何か?」 とか、「人間である、とはどういうことか?」を天から示されたような、そんな気がいたしました。 向こうでの寝泊まりは、実は避難所で避難している方々とご一緒させていただいたのですが、その方々は家を追われ、肉親を失い、命からがら避難されていて、着の身、着のまま、段ボールで仕切られた床に寝て、洗濯機は100人に一台、トイレは簡易、水道も出ない日々を過ごしていました。一方、私はといえば、たった2泊3日のボランティアです。 ヘドロかき、どぶさらい、物資配達などをしましたが、活動中に水を飲めなくても、飯が食えなくても、しょせん所沢に帰れば便利で快適な生活が待っているのでありました。だから、いよいよ帰る、石巻を去る、というときは避難所のみなさんを置き去りにしていくようで、何とも気が引けてなりませんでした。にもかかわらず私たちは、避難所の方々に出口まで見送っていただいて、こう言われたのです。「来てくれてありがとう。見てくれてありがとう。私たちは来てくれただけでもうれしいのです。どうか帰ったら埼玉の人たちに私たちのことを伝えてください。」 なぜこんな時に「ありがとう」って言えるのか? なぜこんな時に「笑顔で私たちをねぎらえるのか? 被災者を支援するため、助けるために来たはずなのに、逆に勇気をもらっているのは私たちではないか・・・。」 私には本当に衝撃でありました。そして、「来てよかった。動いてよかった。悩んでいるよりも、行動を起こしてよかったのだ。」とつくづく思ったのでありました。 新成人の皆さん、私から申し上げたいことは「思っているより、悩んでいるより、行動を起こす時代に突入したのだ」ということです。「動く者の時代が来た!」私はそう思って市長選に出て、辛くも当選いたしました。 新成人の皆さん、若い皆さんこそが、「動ける大人」なのであります。家族とか仕事とか、とにかく守るべきものをたくさん持ってしまい、「自分のできることをしっかりこなしていくこと、ことが国難の時にやるべきことだ。」と、容易に動けない大人もたくさんいます。だからこそ、皆さんのような若い大人に、動いてほしい!と願っています。 震災を経て、「人と人のつながり=絆」を大切なものだと世の中は意識するようにもなりました。きっと時代は新たな局面、新たなステージに入ったのであります。新たな時代に対応できる、本当に対応できる世代は若者、であります。「百匹目の猿」の話でも分かるように、新しい世の中に対応できる柔らかさは「女性」と「若者」が持つのだそうです。だからこそ、大人としては最も若い責任ある新成人の皆さんには、これから「動いて、動いて、」羽ばたいていってほしいのです。経済が振るわず就職難でもありますが、しかし、皆さんこそ、動ける大人なのであります。失敗を恐れず、時間と体力と柔軟な思考を持って、頑張っていただきたい、そう思うのであります。 「悩むより、とどまるより、動くことこそが大切な、新しい時代が来た!まさに、皆さんの活躍の時代なのだ!」そう申し上げ、限りなき前途を祝し、私からの式辞といたします。 平成24年1月9日 |